Apple Intelligence

Siri Recapとは? 手元に残す録音との違い

Appleによると、Apple Watchは近いうちに、会話のメモを自動で取るようになります。Siri Recapとは何か、そしてそれが、自分で意図して残す録音の代わりになるのかを確かめましょう。

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Apple Watchで

文字起こしではなく、要約

  1. 01直前の15秒を、求めたときだけ
  2. 02発言者は特定しない
  3. 03保存しなければ7日後に削除
記憶の補助。言葉そのものが必要なら、録音を残す。
Appleがオーディオインテリジェンスについて示している範囲
要点

Appleのサポートページによると、Siri Recapは「文字起こしを作成するのではなく」大まかな要約を生成し、オーディオインテリジェンスの機能は「発言者を特定しません」。要約は「あなたが保存したり書き出したりしなければ、7日後に自動的に削除されます」。そして「音声は録音も保存もされません」。利用にはApple Watch Series 12かUltra 4と、対応するiPhoneが必要で、年内にまず英語のベータ版として提供される予定です。正確な言葉、話者の区別、音声そのものがあとで必要なとき、またはApple Watchが古い機種のときは、自分で録音しましょう。

01

Appleは、自社のサポートページで範囲をはっきり書いている

Appleは2026年9月9日に、オーディオインテリジェンスを発表しました。サポートページでは「4つの新機能」として、サウンド認識、Shazamによるミュージック認識、ライブ早戻し、Siri Recapを挙げています。このうち話し言葉に関わるのは2つで、それぞれが話し言葉をどう扱うかを、サポートページは正確に書いています。

項目Appleのサポートページでの説明結果として手元に残るもの
Siri Recapが作るものSiri Recapは「文字起こしを作成するのではなく、会話の後にメモする程度の、簡潔で大まかな要約を生成します」とAppleは書いている。その話題が出たことを思い出すには足りるが、引用できるものは何もない。
誰がどの発言をしたかオーディオインテリジェンス機能は「発言者を識別したり、発言内容を発言者に紐付けたりしない設計」で、「発言者A」「発言者B」のようなラベル付けもしないとAppleは書いている。話の中で口にされた名前が要約に出ることはあるが、どの発言も誰かに割り当てられることはない。
あとで音声が残っているか「音声は録音も保存もされません」「録音そのものが存在しない」とAppleは書いている。あとで聞き直したり、転送したり、提出したりできるものはない。
要約がどのくらい残るかSiri Recapの内容は「あなたが保存したり書き出したりしなければ、7日後に自動的に削除されます」とAppleは書いている。判断する時間は1週間。保存したものは、削除するまでSiriアプリに残る。
ライブ早戻しでさかのぼれる範囲Digital Crownを2回押すと、「直前の15秒間に話された内容」がテキストの抜粋として表示されるとAppleは書いている。残るのは抜粋で、会話全体ではない。
それぞれをオンにする方法「オーディオインテリジェンスの各機能は、利用するかどうかをあなたが選択できます」とAppleは書いている。ライブ早戻し:iPhoneのWatchアプリで「Siri」>「ライブ早戻し」の順にタップし、「Digital Crownをダブルクリック」をオン。Siri Recap:iPhoneのWatchアプリで、時間や場所、またはその両方でスケジュールを設定するか、手動でオン/オフを切り替える。どちらも、自分でオンにするまではオフのまま。Siri Recapは、コントロールセンターからいつでもオン/オフを切り替えられる。
要約をほかの場所へ移せるか要約はSiriアプリで表示、編集、削除でき、「要約やテキストの抜粋は、『メモ』や『ジャーナル』などのほかのアプリに書き出すこともできます」とAppleは書いている。テキストはほかのアプリに移せる。一緒に移す音声は、もともと存在しない。
ハードウェアと提供の段階「4つの機能はすべて、Apple Watchの新しいS11チップとそのSecure Exclaveによって実現しています」とAppleは書いており、9月の発表はApple Watch Series 12とUltra 4が対象。ライブ早戻しとSiri Recapは「年内にベータ版として、まずは英語版が提供される予定」。最新のApple Watchが必要で、2026年9月20日の時点では、話し言葉に関わる2つの機能はまだ提供されていない。

上の各行は、2026年9月20日に、Appleのオーディオインテリジェンスのサポートページで確認したものです。その時点で、4つの機能のうち2つはまだベータ版として提供予定とされていたため、手元に届くまでに、説明、スケジュール、対応言語が変わる可能性があります。Appleは「年内」より詳しい日付も、利用に関する数字も示していません。

02

ライブ早戻しは15秒をとらえて、手放す

Digital Crownを2回押すと、直前に話された内容がテキストの抜粋としてApple Watchに表示されます。15秒分です。Appleは、この機能は「Digital Crownを意図的に2回押した場合にのみ有効になります」と書き、「バックグラウンドで文字起こしが継続されることはなく」としています。

ライブ早戻し直前の15秒だけを保持
すでに消えた部分現在
自分で始める録音最初から最後まで残る
現在
ライブ早戻しが保持するのは、常に直前の15秒だけ。自分で始めた録音は、録音ボタンを押した瞬間からすべてを残します。
  • Apple Watchが消音になっていても、ヘッドフォンが接続されていても、スピーカーからチャイム音が鳴ります。Appleによると、これで近くにいる人に知らせます。
  • 同時に、全画面のアニメーションとマイクのインジケータが表示されます。
  • 抜粋は、Siriアプリに保存するか「Siriに頼む」をタップしない限り、ディスプレイが暗くなってから約30秒後にApple Watchから消えます。
  • 音声認識は、Apple WatchとiPhoneの上で行われます。抜粋を保存したり、Siriにたずねたりすると、プライベートクラウドコンピューティングに送信されます。

これで補えるのは、騒がしい場所で聞き逃した1文です。ホームの番線、薬の量、名字など。会話の最初に戻る手段にはなりません。10分前のことには届きません。

03

Recapは要約で、7日で消える

Appleはこの機能を、「1日を通じて自然な形で会話を記録し」、大まかな要約にまとめるものと説明しています。できあがるものは短く、Appleは「会話の後にメモする程度の」ものとたとえています。

途中で文字起こしは作られますが、それを読むことはできません。音声は、Apple WatchのS11チップのSecure Exclave内にある保護されたバッファに入り、暗号化されて、ペアリングしたiPhoneのSecure Exclaveに送られます。Appleによると、そこで「復号され、文字起こしされ、圧縮されます」。プライベートクラウドコンピューティングに送られるのは圧縮されたテキストだけで、Appleの言葉では「元の文字起こしの半分未満の長さになるよう設計」されています。手元に戻ってくるのは要約です。

  1. Apple Watch音声はSecure Exclaveに保持され、暗号化されて送られる
  2. iPhone復号され、文字起こしされ、圧縮されます。この文字起こしを読むことはできません。
  3. プライベート​クラウド​コンピューティング受け取るのは圧縮されたテキスト。長さは元の半分未満
  4. Recapの要約保存しない限り、7日後に消える
Appleの説明によると、文字起こしはiPhoneで作られますが、表示されることはありません。プライベートクラウドコンピューティングに届くのは圧縮されたテキストだけで、Recapは保存しない限り7日後に消えます。

iPhoneのWatchアプリを開き、Siri Recapをオンにします。Appleによると、そのあと時間や場所、またはその両方でスケジュールを設定できます。Appleの例では「only at work」(職場にいるときだけ)や「never at night」(夜間は使用しない)です。スケジュールを使わず、手動でオン/オフを切り替えることもできます。どこにいても、コントロールセンターからオフにできます。

何もしなかった要約は、1週間で消えます。保存するか書き出した要約はSiriアプリに残り、そこで削除すると、同期しているデバイスからも削除されます。Appleによると、保存した要約にアクセスできるのは本人だけです。また、Recapは財務データや公的機関によって割り当てられた識別子などの機密性の高い情報を除外するため、ほしかった数字が入っていないこともあります。

04

場面ごとに、3つのうちどれが合うかを選ぶ

2つは機能として働き、3つ目は自分で始めるものです。左の列から、自分が実際にしたいことを探してください。

したいこと合うもの理由
聞き逃したばかりの1文をとらえるライブ早戻し必要なときに、15秒分のテキストが手首に表示される。
今日の会話の内容を、おおまかに思い出すSiri Recap大まかな要約。保存しなければ7日で消える。
まとめの文書で、人の発言を正確に引用する自分で始める録音Recapは文字起こしを作成しないと、Appleが明記している。
誰がどの作業を引き受けたかを知る自分で始める録音オーディオインテリジェンスは、設計上、発言者を特定しない。
3か月後に同じ箇所をもう一度聞く自分で始める録音Appleの処理のどこにも、音声は残らない。
あとで作業のもとにする講義、インタビュー、顧客とのレビュー自分で始める録音言葉と、その順番が必要になる。
誰も記録されたくない会話に集中するライブ早戻し、または何も使わないAppleは音声を残さないが、それでも周囲にいる人への配慮を求めている。
05

古いApple WatchではSiri Recapは使えないが、録音はできる

Appleは同じサポートページに、必要なハードウェアを挙げています。ライブ早戻しとSiri Recapには、対応するiPhoneとペアリングしたApple Watch Series 12かUltra 4が必要で、Apple IntelligenceとSiri AI(ベータ版)も必要です。AppleのiPhoneのリストはiPhone 16から始まり、iPhone 16eは含まれていません。どちらの機能もまず英語で提供され、13歳未満の人は利用できません。また、Siri AIは、初期段階ではEU圏内のiOS、iPadOS、watchOSでは利用できないとしています。

Apple WatchとiPhoneSiri Recapとライブ早戻し使えるもの
Series 12かUltra 4と、Appleのリストに載っているiPhone使える。ベータ版の提供後、まず英語で。当初はEU圏内を除く両方の機能と、自分で始める録音
Series 12かUltra 4と、Appleのリストに載っていないiPhone使えない自分で始める録音
それより前のApple Watch(Series 11、Ultra 3、SE 3など)使えない。Appleによると、4つの機能はすべてS11チップが必要Apple Watchのボイスメモ、またはwatchOS 26以降でのPhraseのApple Watchアプリ

PhraseのApple Watchアプリには、watchOS 26以降が必要です。AppleのwatchOS 26のガイドには、Series 6からSeries 11、SE(第2世代)とSE 3、Ultra、Ultra 2、Ultra 3が挙がっており、最新のモデルはそれ以降のバージョンで動きます。録音はiPhoneのPhraseに引き継がれ、音声を添付したノートになります。録音の開始と停止は、毎回自分で行います。Siri Recapのように、スケジュールに沿って1日じゅう聞いているものはありません。

Appleの機能の条件は2026年9月20日に、watchOS 26の対応モデルのリストは2026年9月25日に確認しました。どちらも、ベータ版の提供時に変わる可能性があります。

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言葉を残す必要があるなら、自分で録音を始める

この差は、Appleの機能の欠陥ではありません。記憶の手助けと記録は別の仕事で、Appleは意図して前者を作りました。文を読み返したいとき、誰が言ったかを示したいとき、会議の記憶が薄れたあとでもう一度聞きたいとき、必要なのは実際に存在するファイルです。

  1. 会話が始まる前に決めます。終わってからさかのぼれるものはありません。
  2. その場の人に伝えます。同意のルールは国や地域によって違い、最初にひとこと伝えるほうが、あとで問題になるより手間がかかりません。
  3. 音のするところで録音します。Apple Watchのボイスメモは、録音をApple Watchに保存してiPhoneに同期し、iPhoneでは別の「Watch録音」の項目に入ります。
  4. その日のうちに、日付、参加者、テーマで名前をつけます。「新規録音」という名前のファイルが並んだフォルダは、それ自体が問題です。

Phraseは、iPhoneやApple Watchアプリから録音でき、音声はそこからできたノートに添付されたままです。文字起こしはタイムスタンプつきの区切りに分かれ、必要に応じて話者の区別も表示できます。音声がデバイスにあれば、区切りをタップするとその秒から再生されます。ノートは、削除するまでライブラリに残ります。

Phraseの会議の文字起こし。音声の再生に合わせて、12:41のRachelの発言がハイライトされています。
手元に残す録音。Phraseでは、タイムスタンプつきで話者ごとに分かれた文字起こしが、音声と一緒にあります。

処理に失敗しても、書きかけのノートは残りません。録音やファイルからのノート作成はクラウドで行われ、ノートは処理が終わってから表示されます。いずれにしても、元の音声は残しておきましょう。何が言われたかで意見が分かれたとき、決着をつけられるのはそれだけです。

07

よくある質問

Siri Recapは文字起こしを作る? 目にすることのできる文字起こしは作りません。Appleは、Siri Recapは「文字起こしを作成するのではなく」、「簡潔で大まかな要約を生成します」と書いています。プライバシーの説明には、音声が「iPhoneのSecure Exclave内で復号され、文字起こしされ、圧縮されます」ともあります。つまり、言葉は文字起こしされます。ただしそれは、Appleによれば「オペレーティングシステムも、アプリも、ユーザーも、Appleでさえもアクセスできません」という区画の中でのことです。Siriアプリに届くのは要約です。誰かが実際に言った文が必要なら、そのための録音が必要です。

Siri Recapのプライバシーは守られる? Appleが示す設計では、音声は残りません。「音声は録音も保存もされません」とあり、要約はプライベートクラウドコンピューティングで作られます。要約は、保存しなければ7日後に自動的に削除されます。周囲の人のプライバシーは、音声を保存しないことと、発言者を特定しないことで守られています。

Apple Watchのライブ早戻しとは? Digital Crownを2回押すと表示される、直前に話された15秒分のテキストの抜粋です。チャイム音と全画面のアニメーションで、機能が動いたことがわかります。抜粋は、Siriアプリに保存しない限り、ディスプレイが暗くなってから約30秒後に消えます。

Apple Watchのオーディオインテリジェンスとは? S11チップで動く4つの機能をまとめた、Appleの呼び名です。サウンド認識、Shazamによるミュージック認識、ライブ早戻し、そして1日の会話の要約(Siri Recap)です。サウンド認識は、iPhoneの「設定」で「アクセシビリティ」>「サウンド/名前認識」>「サウンド認識」の順にタップし、「Apple Watchを使用して検出」をオンにします。

iPhoneでも使える? Appleはオーディオインテリジェンスを、ペアリングしたiPhoneが処理の一部を担う、Apple Watchの機能として説明しています。Apple Watchは暗号化した音声をiPhoneのSecure Exclaveに送り、そこで文字起こしと圧縮が行われます。どちらの機能も、iPhoneのWatchアプリからオンにします。

出典と編集上の注記

出典は2026年9月25日に確認しました。Appleの機能の手順は、下にリンクしたAppleの最新のドキュメントに沿っています。条件はiOSのリリースごとに変わります。

Phraseの開発元であるEversightが公開しています。編集方針・修正を提案する